一番してほしいことはなんですか?

つらいとき一番してほしいことは何ですか?

あなたの心が傷ついて、本当につらいとき

だれかにしてほしいことは、何ですか?

励ましてくれる

ドライブにつれてってくれる

悩みを聞き出してくれる

どれもうれしいし、どれも正解だと思います。

私の場合

私は、20歳の頃つらいうつ病を引きずりながら、

救いを求め、武道の鍛錬に打ち込んでいました。

武道の先生の自宅兼道場に住み込んで朝から晩までの修行でした。

心も体もつらくてたまりません。

「なんで?おまえ、そんなにハードなことするの?」

と、よく聞かれたものです。

そんな鍛錬のちょっとした合間に、

道場の玄関先で段差に腰掛け、「ボーっ」と

遠い目をするのが、癖になっていました。

顔見知りの何人かにも

「おまえ、何やってるんだ?」

と、聞かれたこともあります。

かなり、「変」だったのでしょう。

ある日、いつものように遠い目をしていると、

武道の先生が、外出から帰ってきました。

なにもしないやさしさ

それからの実際の会話と行動

「ん?」 遠い目をしている私に気づく先生

「あ、先生・・」 腰かけたまま見上げる私

「・・・・(どっこいしょ)」 何も言わず、私のそばに腰かける先生

「先生、これどうぞ」 意外な展開にどう反応していいかわからず、ポケットに持っていた飴玉を差し出す私

「ん」 袋をはがし飴を口に放り込む先生

「・・・・・・」 無言の私 

   

「・・・・・・」 無言の先生

10分ほど二人とも無言で過ごし・・・

「もうすぐ晩飯だから、もうちょっとしたら入ってこい」

と言い残し、自宅へ入っていく先生

孤独な人はいない

この、ほぼ無言の10分間が今でも鮮明に思い出せます。

そして、30年以上経っても胸が温かくなる思い出です。

今、つらいひとへ

本当につらいときは

「救ってほしい」

という気持ちが先に立ち、

なにも「してくれない」周囲の人に

いらだちを覚えるものです。

そんな時は、

青空を見上げて

深呼吸をしてみましょう。

そして、

あなたに

「なにもしない」人を探してみましょう。

あなたに

「優しいまなざしの何もしてくれない」人は、

結構いるものですよ。